腎臓の構造と働き

腎臓の構造

腎臓の構造

腎臓は骨盤からこぶし1個分くらい上の背中側に左右に1個ずつある臓器です。

左側の腎臓の方が右側の腎臓にくらべてやや上にあります。
これは、右側の腎臓の上部には肝臓があるためです。

大きさは、成人でこぶしより少し大きく、長さ約10cm、厚さ5cm、重さ130g くらいでソラマメ様の形をした暗赤色の臓器です。

腎臓の働き

腎臓は、下記のようにさまざまな働きをしています。

@血圧の調節
腎臓は、血圧が上昇すると体内の塩分(ナトリウム)を排泄して血圧を下げたり、血圧を上げる作用のあるレニンや血圧を下げる物質であるプロスタグランディンなどを分泌して血圧を調節する働きがあります。

血圧を上げる作用のあるもの
レニン
腎臓は、血圧が低下するとレニンの分泌量を増やし、血圧が上昇するとレニンの分泌量を減らして血圧を調節します。
レニンには、直接血圧を上げる作用はありません。

レニンは、血液中にあるアンギオテンシノーゲンに作用してこれをアンギオテンシンTに変換します。そしてこのアンギオテンシンTは、アンギオテンシン変換酵素によってアンギオテンシンUへと変換します。

アンギオテンシンUは、強い血管収縮作用があるので、血管を収縮して血圧を上昇させたり、副腎に作用して副腎からアルドステロンを放出させます。
アルドステロンは、腎臓に作用して、ナトリウムの排出を減らしてカリウムの排泄を促し、血圧を上昇させる作用があります。

これらの一連を「レニンーアンギオテンシン系」または、「レニンーアンギオテンシンーアルドステロン系」と呼びます。

血圧を下げる作用のあるもの
プロスタグランディン
腎臓から放出されるプロスタグランディンには、血管拡張作用があるため、血管を拡張させて血圧を下げる作用があります。

カリクレイン
カリクレインは、直接血圧を下げる作用はありません。
カリクレインは、肝臓から分泌されるキニノゲンに作用して、これをキニンに変換します。

キニンは、血管拡張作用があるため、血管を拡張させ血圧を低下させます。
これらの一連を「カリクレインーキニン系」と呼びます。

A赤血球をつくる手助け
エリスロポエチンというホルモンを産生し、骨髄で作られる赤血球の産生を促す働きがあります。

B骨を丈夫にする
腎臓はビタミンDの代謝に関与しており、このビタミンDは骨を丈夫にする働きがあります。
ビタミンDは、そのままでは体内で働くことができず、体内で腎臓や肝臓で活性型に変化して色々な働きをします。

C老廃物の排泄
血液を濾過して血液中の老廃物を尿として体外に排泄させる

尿の生成

腎臓に送り込まれた血液は、腎臓にある糸球体と呼ばれる場所で濾過されて、尿の原型(原尿と呼ぶ) ができます。
その量は1日で約180リットルにもなります。

当然みなさん1日にこれだけの尿が出るわけではありません。
この原尿は糸球体に続く尿細管で原尿中の水分や溶けている物質などを吸収して濃縮され、結局体内で不要となった水分や老廃物を尿として排泄しています。

そして尿として大体、1日で1.5リットルくらいになり、体外へ排泄されます。

ネフロンについて
腎小体(糸球体とボウマン嚢からできている)と尿細管をあわせてネフロンと呼び、このネフロンは2つの腎臓であわせて約200万個存在します。

このネフロンのそれぞれが尿を作る働きをしています。

尿の生成過程
糸球体 → ボウマン嚢 → 近位尿細管 → ヘンレ係蹄 → 遠位尿細管 → 集合管 → 腎盂

糸球体(しきゅうたい)
糸球体は毛細血管の集まったもので、尿の生成過程はここから始まります。
血球(赤血球・白血球・血小板)や蛋白質などの分子の大きいものを除くほとんどの血液がここでろ過されて原尿としてボウマン嚢を経て尿細管に運ばれます。
ボウマン嚢(ボウマンのう)
ボウマン嚢は、糸球体を包む形で存在し、糸球体でろ過されてできた原尿を近位尿細管へと送ります。
尿細管(にょうさいかん)
尿細管は近位尿細管、ヘンレ係蹄、遠位尿細管があります。
尿細管では、水分やナトリウム・カリウムなどの電解質、糖質、アミノ酸など糸球体を通過した物質の大半がここで再吸収されます。
集合管(しゅうごうかん)
最終的な水分の再吸収を行います。 抗利尿ホルモンであるバソプレシンは、この集合管に作用して水分の再吸収を促す作用があります。