膵臓の構造と働き

膵臓の構造

膵臓の構造と働き

膵臓は、胃の後ろ(背)側にあり、長さ約15cm、厚さ約2〜3cm、重さ約100gの消化酵素を作る腺房組織(外分泌部)と、ホルモンを作る膵島組織(内分泌部)でできている器官です。

腺房組織からは、消化液である膵液(アミラーゼ・トリプシン・リパーゼ・重炭酸ナトリウム)などが膵管を通って十二指腸に分泌されます。

膵液は1日に大体1.5リットル程度分泌されています。
膵島組織は細胞により4つに分けられ、A細胞(α細胞)からはグルカゴン、B細胞(β細胞)からはインスリン、D細胞からはソマトスタチン、PP細胞からは膵ポリペプチドが血液中へ分泌されます。

膵液の分泌調節
膵液の分泌は、神経とホルモンによって調節されています。

迷走神経による調節
胃液と同じように膵液は、食べ物をみたりにおいをかいだりすること迷走神経を介して分泌が起こります。
また、食べ物が胃に入るとその刺激によって、迷走神経を介して分泌が起こります。

ホルモンによる調節

セクレチン
胃からの内容物が十二指腸に送られると、酸性である胃の内容物が刺激となって十二指腸からセクレチンが分泌されます。
このセクレチンが血液を介して膵臓からの膵液の分泌を促します。
コレシストキニン―パンクレオザイミン
胃からの内容物が十二指腸に入ると、内容物内に含まれる脂肪やタンパク質が刺激となって十二指腸からコレシストキニン―パンクレオザイミンが分泌されます。
このコレシストキニン―パンクレオザイミンもセクレチンと同様に膵臓からの膵液の分泌を促す作用があります。

膵臓の働き

膵臓では上記の通り、ホルモン・消化酵素を分泌する働きがあります。

消化酵素の働き
膵臓から分泌される酵素は下記のような働きをしています。

1)アミラーゼ:炭水化物の消化
炭水化物(デンプン)をブドウ糖や麦芽糖(マルトース)に分解します。  

2)α-グルコシダーゼ(マルターゼ):麦芽糖の分解
麦芽糖(マルトース)をブドウ糖に分解します。

3)トリプシン:蛋白質の消化
膵液中にトリプシノーゲン(トリプシンの前駆体)として分泌し、十二指腸から分泌されるエンテロキナーゼと呼ばれる酵素によってトリプシンとなり、蛋白質の消化を行います。  

4)キモトリプシン:蛋白質の消化
膵液中にキモトリプシノーゲン(キモトリプシンの前駆体)として分泌し、トリプシンの作用によりキモトリプシンとなり蛋白質の消化を行います。
蛋白質の消化作用は、トリプシンに比べ弱いです。

5)リパーゼ:脂肪の消化
脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解します。

6)ヌクレアーゼ:核酸の分解

※消化酵素ではありませんが、外分泌部より分泌される重炭酸ナトリウムの働きは、アルカリ性のため、胃から運ばれてきた酸性の内容物を中和することです。 中和する理由は、酸性物質によって十二指腸が傷つくのを守るためと、膵臓から分泌される消化酵素は酸性の状況下では働きにくいため、中和して消化酵素が働きやすくするためです。

ホルモンの働き
膵臓から分泌されるホルモンは下記のような働きをしています。

インスリン
インスリンは下記のはたらきによって血糖低下作用があります。
1)筋肉や脂肪組織へのブドウ糖の取り込みを促進する。
2)肝臓や筋肉などでのグリコーゲンの合成を促進する。
3)蛋白質の合成を促進する。
4)肝臓での糖新生を抑制し、解糖を促進する。
5)脂肪の合成を促進し、分解を抑制する。

グルカゴン
グルカゴンは下記のはたらきによって血糖上昇作用があります。
1)肝臓でのグリコーゲンの分解を促進する。
2)肝臓での糖新生を促進する。
3)脂肪の分解を促進する。
4)蛋白質の分解を促進する。

ソマトスタチン
インスリンやグルカゴン、ガストリンなどの分泌を抑制する。

用語解説

グリコーゲン
ブドウ糖が重合したもので、体内ではブドウ糖はグリコーゲンとして貯蔵され、必要な時にブドウ糖に分解されてエネルギーとして利用されます。
糖新生(とうしんせい)
ブドウ糖を作ることです。
解糖(かいとう)
ブドウ糖を分解することです。