狭心症(2)

狭心症の検査

@心電図検査
心電図検査は心臓から出る電気刺激を波形として表す検査で、狭心症発作時には異常を表します。 この検査は、発作がでていない通常時に検査をしても異常がでにくいのが欠点です。
A運動負荷心電図検査
ベルトの上を歩いたり(トレッドミル検査)、自転車をこいだり(エルゴメーター)、階段を昇り降りしたり(マスター検査)して、心臓に負荷を与えて心電図に変化がでるかを調べます。
B24時間心電図(ホルター心電図)
電極を胸に張り、携帯型の心電図を1日(24時間)つけて普段の生活において心電図に変化があるかを調べます。
C冠動脈造影検査
足や腕の動脈からカテーテル呼ばれる管を冠動脈まで入れていき、造影剤を注入してレントゲン撮影し、どこの冠動脈がどれくらい細くなっているかを調べます。
D心筋シンチ検査
この検査は、微量の放射性物質を静脈内に注射して専用のカメラで心臓を撮影することによって、虚血を起こしている部分とその範囲を調べる検査です。
運動負荷と同時に行われることがあります。

狭心症の治療

狭心症の治療はおおまかに3種類あります。

1)薬物療法
薬物にも硝酸薬・ベータ遮断薬・カルシウム拮抗薬・抗凝固薬などがあり、それぞれ働き方が異なります。

@硝酸薬
血管の拡張作用があるため、発作時に使用すると細くなっている冠動脈が拡張し、発作を鎮めることができます。
狭心症の発作時に使用される「ニトログリセリン」がこれに該当します。

Aベータ遮断薬
交感神経の緊張を鎮める作用がある薬です。
交感神経が緊張すると、心拍数が増えることにより心筋の酸素需要が高まり、狭心症発作が起き易くなってしまいます。
ベータ遮断薬を用いることで、必要以上に心臓が働くのを押さえ狭心症発作を防ぐ効果があります。

Bカルシウム拮抗薬
細胞内のカルシウム濃度バランスを整える作用があります。
血管を形成している細胞内のカルシウム濃度が高くなると、血管は収縮してしまい、狭心症発作が起き易くなります。
カルシウム拮抗薬を用いることで、細胞内のカルシウム濃度を過剰に高くなることを防ぎ、狭心症発作を防ぐとともに、血圧を下げる作用もあることから、心臓への負担を軽減させることができます。

C抗凝固薬
血液を固まりにくくして、冠動脈に血のかたまり(血栓)ができるのを防ぐ働きがあります。

2)経皮的冠動脈形成術(PTCA)
腕や足の動脈からカテーテルと呼ばれる管を狭心症発作の原因となっている冠動脈の細くなっている部分まで入れていき、カテーテルの先端部につけた風船を膨らませることによって血管を押し広げ、細くなっている部分を広くして血流の改善を図ります。

また、風船で膨らませただけでは再び血管が細くなってしまうことが多いため、ステントと呼ばれる筒状の金具を血管に留置して細くなるのを防ぐ方法もあります。
下記のバイパス術に比べ、患者の負担は少ないですが、数ヶ月〜数年で際狭窄を起こすことがあります。

3)冠動脈バイパス術(CABG)
全身麻酔をして開胸し、冠動脈の細くなっている部分より下の部分と大動脈を自分の血管をつかって結び血流の改善を図る方法です。
用いられる血管は、足にある大伏在静脈や胸骨の裏あたりにある内胸動脈を使用します。
薬での治療や経皮的冠動脈形成術(PTCA)が困難である場合などに行われることが多いです。

日常生活で注意すること

@日常の行動や運動は休みながら行いましょう
日常の生活動作(食事・入浴・排便など)や散歩などの運動は、狭心症の場合、心臓に大きな負担となります。
そのため、それぞれの動作を続けて行ったり、長時間行うことは発作の原因となります。

なるべく、それぞれの動作を行う時は、1つの動作が済んだら休みを入れ、また、散歩などの日常の運動も長時間行わないように注意しましょう。

※上記のコメントを見る限りでは動くことが良くないように思われるかもしれませんが、決して動くことが悪いわけではありません。
カラダを動かすことによって、心臓は、細くなった血管の代わりに新しい血管を作るようになります。
そのため、日常生活で無理のないように休みながらカラダを動かすように心がけましょう。

A便秘は大敵
排便時に、いきむと血圧が上昇して、心臓に負担をあたえ、発作の原因となります。
そのため、便秘にならないように注意しましょう。

便秘解消法については、便秘 のページをご参考ください。

B禁煙しましょう
たばこは血管を収縮させて血圧を上げたり、動脈硬化の原因となり、心臓に負担をかけるので、禁煙しましょう。

C入浴について
入浴時のお湯の温度は熱すぎても冷たすぎても心臓に負担を与えてしまいます。
温度は39〜40℃くらいのぬるめがよいでしょう。

また、浴室と脱衣場の温度差があるのも心臓にはよくありません。
そのため、脱衣場とお風呂場は、暖めてから入浴するようにしましょう。

D日常の食生活を見直しましょう
狭心症は動脈硬化が原因で起こります。
そのため、日常の食生活はとても重要です。
病態を進行させないためにも、日常の食生活を見直しましょう。

詳しくは虚血性心疾患の食事療法のページをご覧下さい

Eイライラやストレスは禁物
イライラしたりストレスを貯めることは、交感神経を緊張させて血圧を上げる原因になり心臓にはよくありません。
普段の生活にゆとりをもち、趣味の時間をもつ、十分な休養や睡眠をとるなどしてイライラやストレスを貯めないようにしましょう。