貧血検査

血清鉄(Fe)について

検査解説
この項目では、鉄欠乏性貧血の有無や、鉄過剰状態を疑うときに用いられます。
カラダの中の鉄は、約2/3が赤血球内のヘモグロビンに1/3弱はフェリチンやへモジデリンとして肝臓などに貯蔵されています。

また、少量はミオグロビンに使われています。 血清内の鉄は単独では移動できず、小腸から吸収された鉄は、トランスフェリンと呼ばれる輸送蛋白と結合して血液中に存在しています。
血清鉄は骨髄に運ばれ、赤血球内のヘモグロビンの材料に使われます。
赤血球が寿命で壊されると、ヘモグロビン内の鉄は、またヘモグロビンの材料となるか、貯蔵鉄になります。

主な疾患
高値
・ヘモクロマトーシス ・無効造血 ・肝硬変 ・再生不良性貧血 など  

低値
・鉄欠乏性貧血 ・多血症 など

フェリチンについて

検査解説
この項目では、貯蔵鉄の減少・増加を見ています。
フェリチンは、鉄と結合して肝臓や脾臓・骨髄などの全身に貯蔵鉄として存在しています。
血清中の鉄が減少してくると、フェリチンはトランスフェリンに鉄を供給し、多くなると、トランスフェリンから鉄をもらい貯蔵します。
要するに、鉄を保管している倉庫の番人みたいなもので、血清中の鉄の増減をうまくコントロールしてくれています。

鉄欠乏性貧血はまず、このフェリチンからなくなっていきます。
フェリチンの減少→血清鉄の減少→ヘモグロビンの減少というふうになります。
ですから、このフェリチンを検査すると、表向きは貧血でなくても、いずれ貧血になる可能性がある、かくれ鉄欠乏症(潜在性鉄欠乏)が分かります。

主な疾患
高値
・ ヘモクロマトーシス ・再生不良性貧血 ・一部の悪性腫瘍 など

低値
・鉄欠乏性貧血 など

トランスフェリン(Tf)について

検査解説
体内の鉄はトランスフェリンと結合して、血液中に存在しています。
要するに、トランスフェリンは、鉄を必要としているところへ運搬している訳です。
トランスフェリンは、肝臓で作られているため、肝障害が起こると、減少します。
鉄欠乏性貧血の場合は、鉄の不足から鉄と結合できないトランスフェリンが増加するので、値は高値を示します。

主な疾患
高値
・鉄欠乏性貧血 など

低値
・肝障害 ・再生不良性貧血 など

総鉄結合能(TIBC)について

検査解説
総鉄結合能は血清鉄と不飽和鉄結合能の和です。
血清中のトランスフェリンは1/3が鉄と結合し、2/3は鉄と未結合の状態で存在しています。
総鉄結合能とは、血清中のすべてのトランスフェリンが結合できる鉄の量のことです。
鉄欠乏性貧血のように、鉄の量が減少するとトランスフェリン量が増加するので、総鉄結合能も増加します。

主な疾患
高値
・鉄欠乏性貧血 など

低値
・ネフローゼ症候群 ・悪性腫瘍 など

不飽和鉄結合能(UIBC)について

検査解説
不飽和鉄結合能は総鉄結合能から血清鉄を引いたものです。
血清中のトランスフェリンは1/3が鉄と結合し、2/3は鉄と未結合の状態で存在しています。
不飽和鉄結合能とは、鉄と未結合状態のトランスフェリンに結合できる鉄の量のことです。
鉄欠乏性貧血のように、鉄の量が減少すれば、未結合状態のトランスフェリンが増加するので、UIBCも増加します。

主な疾患
高値

・鉄欠乏性貧血 など

低値
・ネフローゼ症候群 ・悪性腫瘍 など