腎機能検査

尿素窒素(BUN)について

検査解説
この検査は、腎臓の機能が正常かどうかをみています。
尿素窒素は、血液中の尿素の値です。
尿素は、体内で蛋白質が分解されてできる終末代謝産物です。

蛋白質は、体内で分解されてアミノ酸になります。
アミノ酸は脱アミノ化反応により、アンモニアを放出します。
このアンモニアは、有毒な為、肝臓で代謝され、無毒な尿素になります。
尿素窒素は、腎糸球体でろ過され、尿中へ排泄され、一部は尿細管で再吸収され血液中へと戻ります。

尿素窒素は単体で検査をすることはなく、クレアチニンと同時に検査をして 腎機能をみることがほとんどです。

尿素窒素が異常値を示す原因

@腎前性
腎臓の血液循環異常により、尿素のろ過が十分できないことが原因でおこります。
心不全や脱水などで腎臓への血流が低下すると、腎臓のろ過機能のある糸球体でうまくろ過ができずに血液中に尿素が溜まるため、尿素窒素値が上昇します。
また、消化管出血などの出血では、血液自体の蛋白が分解されて尿素窒素値が上昇しますし 悪性腫瘍や火傷などの組織の異化亢進でも組織自体は蛋白で出来ているので、高値を 示します。
A腎性
腎臓自体の機能が低下しているために十分に糸球体でろ過ができないために起ります。
急性、慢性腎炎・糸球体腎炎など腎臓に直接障害が起きると、糸球体機能が低下するので尿素をうまくろ過できずに血液中に尿素が溜まり、尿素窒素値が上昇します。
B腎後性
尿路からの尿素の排泄障害が原因で起こります。
腎結石・尿管結石、膀胱癌などで尿の排泄障害が起こると、尿素が尿から排泄されない為、血液中の尿素窒素値が上昇します。

※上記以外に、高蛋白質の摂取や発熱などでも尿素窒素値は上昇します。
又、低下の要因は、低蛋白質の食事や尿素は肝臓で作られるので、肝機能の低下でも尿素窒素値は低下します。

腎機能の指数としてBUN/クレアチニン比がよく用いられます。
通常は10:1の比が保たれます。 BUN上昇時でこの比が10以上の場合は腎外性因子を、10以下の場合は腎性因子を考慮します。

主な疾患
高値
腎前性:心不全・消化管出血・脱水・悪性腫瘍など
腎性 :腎炎・ネフローゼ症候群など
腎後性:腎結石・尿管結石・前立腺癌・膀胱癌など

低値
肝機能障害・低蛋白食など

クレアチニン(Cr)について

検査解説
クレアチニンは、筋肉が働くためのエネルギー源であるクレアチンリン酸の構成成分であるクレアチンの終末代謝産物です。
クレアチニン値は筋肉量に比例するため、女性よりも男性の方が高値を示します。

クレアチニンは腎糸球体でろ過され、尿細管で再吸収もされずに尿中に排泄されます。
そのため、糸球体ろ過率が低下する腎炎などで上昇します。
クレアチニンは、食事の影響や、腎以外の因子の影響を受けにくいですが、糸球体ろ過値(GFR)が 50%以下まで低下しないと値が上昇しないので、鋭敏さには欠けます。

クレアチニンも単体では検査はせず、尿素窒素とあわせて腎機能をみています。
腎機能の指数としてBUN/クレアチニン比がよく用いられます。
通常は10:1の比が保たれます。 この比が10以上の場合は腎外性因子を、10以下の場合は腎性因子を考慮します。

主な疾患
高値
糸球体腎炎、腎不全、うっ血性心不全・末端肥大症、巨人症・血液濃縮(火傷、脱水)など

低値
尿崩症(尿中排泄量の増加)、筋萎縮(筋ジストロフィー、長期間寝たきり状態)など

尿酸(UA)について

検査解説
この検査では腎機能検査としても用いられますが、主に痛風検査として用いられます。
尿酸は、核酸の構成成分であるプリン体の終末代謝産物です。
血液中の尿酸は、腎糸球体でろ過され、尿細管でほとんどが再吸収されます。
1日に排泄される尿酸のうち、3/4 が尿中に排泄され、残りの 1/4 が消化管に排泄され、腸内細菌によって分解されます。

尿酸は、尿中より排泄されますが、pH6.5以下の酸性尿であると、尿中に溶けにくいため、 痛風のかたは、尿をアルカリ性にして尿酸を解けやすくする必要があります。
小児の場合は、成人に比べ低値を示します。

尿酸が上昇する原因

1)尿酸の過生成
尿酸の過生成の代表的な疾患が痛風です。
40歳〜50歳代の男性に多く、血液中の尿酸が過飽和状態になり、尿酸が結晶化して関節痛を引き起こします。
2)細胞崩壊の亢進
白血病や溶血性貧血などのように赤血球や白血球などの組織崩壊の亢進が起こると、その分、細胞中のプリン体の代謝が起こるため、尿酸値は高くなります。
また、高プリン体食の摂取や飢餓状態における細胞崩壊時、妊娠時にも尿酸は高くなります。
3)排泄障害
尿酸は、腎臓から排泄されるため、腎障害がおこると尿中に排泄されにくくなり、血中の尿酸値は高くなります。

主な疾患
高値
痛風・白血病・腎不全・高脂血症など

低値
肝硬変・糸球体腎炎など