尿蛋白

職場や学校の健康診断や妊娠時における妊婦検診で尿検査をした際に、尿蛋白陽性と判定されたことはありませんか?
尿蛋白は、放っておいていいものから、腎臓やその他の疾患により出現したりと様々な要因で出現します。
それでは、尿蛋白についてもう少し詳しくみてみましょう。

尿蛋白について

この尿検査は、尿中に蛋白(主にアルブミン)があるかどうかを調べています。

健常なヒトでも1日に少量(40〜120mg/日) の蛋白が尿へ排泄されていますが、検査では陰性になるほどの微量です。
通常アルブミンのような大きい蛋白は、糸球体と呼ばれる、濾過器のようなところを通過できないので、尿中へはほとんど出ませんし、小さな蛋白は、糸球体を通過しても、尿細管で吸収されるのでこれも尿中へはほとんど排泄されません。

しかし、腎障害がおき、この糸球体や尿細管が障害されれば、蛋白を濾過・吸収する能力も低下するので尿蛋白が陽性となります。

尿蛋白にも種類がある!!

蛋白尿は蛋白が陽性になる原因により大きく分けて4つに分類されます。

生理的蛋白尿
生理的な変化で、一過性に尿中に基準値以上のタンパクが尿中にでるもので、機能的蛋白尿ともいわます。
ですので、腎臓自体は正常で、病的なものではありません。

1)起立性蛋白尿
若い方に多く、立っている状態だと尿に蛋白がでてしまい、横になると消失するというもので、腎臓自体が悪いというわけではありません。
これは立つことにより腎静脈が圧迫されて起こるもので、通常、成長するにつれて蛋白はでなくなります。

2)運動による蛋白尿
過剰な運動や入浴後に尿に蛋白がでることがあります。

3)その他
妊娠、月経前、発熱時、精神的ストレス、タンパク質の過剰摂取、精液や膣分泌液の混入などで尿蛋白が陽性になることがあります。

腎前性蛋白尿
腎臓自体には異常がなく、感染症や悪性腫瘍などにより、血液中に小さな蛋白の増加がおこり、その結果尿細管での蛋白の再吸収が追いつかなくなる病態で起こります。

腎性蛋白尿
1)糸球体性蛋白尿
糸球体を「ざる」に例えてみましょう。
ざるの上からジャリの含んだ泥水を流すとどうなるでしょう?
ジャリは、ざるの網の目を通過できずにざるに溜まります。
でも、ざるに穴が開いていたら?容易にジャリはざるを通過してしまうでしょう。
これと同じなのです。

アルブミンのような大きな蛋白は糸球体を通常通過することができません。
しかし、糸球体に障害が起こると、アルブミンのような大きな蛋白が糸球体を通過してしまうために、尿に蛋白がでてしまいます。
もっとも一般的に尿蛋白が陽性になる原因がこの糸球体性蛋白尿で、糸球体腎炎や糖尿病性糸球体腎症などの病気があげられます。

2)尿細管性蛋白尿
尿細管は通常、糸球体ではろ過できないような小さな蛋白を体内へ再吸収しています。
ですので、尿細管が障害されると、小さな蛋白が再吸収できなくなるので、尿へ蛋白がでてしまいます。
カドミウム中毒やビタミンD中毒などで起こることがあります。

腎後性蛋白尿
腎臓よりあとの臓器等に障害が起こると尿に蛋白がでてしまいます。
前立腺炎や膀胱炎など。

妊娠時の尿蛋白について!

妊婦検診にて、「尿に蛋白がでていますね」と指摘された妊婦の方は少なからずいらっしゃると思います。

妊娠をすると、腎臓でろ過される血液量が増加し,妊娠中期の初めには非妊娠時の50%まで増加するといわれています。
要するに、糸球体でのろ過しなければならない血液量が増えることにより糸球体に負担がかかり、また、尿細管の再吸収の機能が低下することにより、妊娠していない状態のときと比べて尿に蛋白は出やすくなります。

しかし、でやすくなるといっても、検査で(±)になるくらいの微量であり、(1+)以上の尿蛋白が続くようでしたら、妊娠中毒症の可能性や、腎臓疾患等の疑いもありますので、注意が必要です。

尿蛋白陽性を示す主な疾患

腎前性 : 白血病、多発性骨髄腫、溶血性貧血、感染症など
腎性   : 糸球体腎炎、糖尿病性腎症、ループス腎炎、アミロイド腎、膠原病など
腎後性 : 前立腺炎、膀胱炎、尿路結石、腫瘍など