尿糖

職場や学校の健康診断や妊娠時における妊婦検診で尿検査をした際に、尿糖が陽性と判定されたことはありませんか?
尿糖が陽性だからといって、すぐに糖尿病を連想されるかたも多いと思いますが、必ずしもそうではありません。
尿糖はいろいろな原因で陽性となります。
それでは、尿糖についてもう少し詳しくみてみましょう。

尿糖について

この尿検査は、尿中に糖(ブドウ糖)が含まれているかを診る検査です。
糖が尿中に出現する原因は下記のようなものがあります。

糖尿病
健常なヒトの場合、ブドウ糖は腎臓の糸球体で濾過されますが、ほとんど全量が尿細管で再吸収されます。
ですので、微量の糖は尿中に排泄されますが、試験紙法では陰性となるくらいの量です。(20mg/dl前後)

しかし糖尿病のように、血糖が異常に高くなると、血糖が尿細管での吸収能力以上に増えてしまうと、尿細管で再吸収しきれなくなり尿中に糖が漏れ出てきます。
この値を「閾値(いきち)」と言います。
血糖値が通常約160〜180mg/dlを超えると尿糖が陽性になります。

腎性糖尿
血糖がそんなに高くなくても、尿細管での糖を吸収する能力が低下しているために、尿へでてしまうことがあります。
これを腎性糖尿といいます。
腎性糖尿は、病的な意味があまりなく、治療の必要がない場合がほとんどとされています。

食餌性糖尿
これは大量の糖分を摂取した場合にみられるものです。
主に胃を切除した方に多くみられます。
胃を切除した場合、炭水化物などの食物が胃に溜まることなく一度に小腸に送られてしまいます。
そして、小腸から炭水化物などの糖分が大量に吸収されてしまい、高血糖状態となります。
これにより、尿糖が出現するようになります。

糖尿病以外の病気によるもの
甲状腺や下垂体などの器官の機能が亢進されると、高血糖状態となるため、尿糖陽性となります。

その他
ストレスや精神緊張の際にも一過性に尿糖が陽性になることがあります。

※ この尿糖検査(試験紙法)は、大量のビタミンC(アスコルビン酸)が尿中に存在すると、偽陰性(実際は陽性でも陰性になってしまう)になることがあります。
最近売られている飲料には大量のビタミンCが含まれているものが多いので、検査を受ける際には注意が必要したほうがいいでしょう。

妊娠時の尿糖について

妊婦検診にて、「尿に糖がでていますね」と指摘された妊婦の方は少なからずいらっしゃると思います。

妊娠をすると、腎臓でろ過される血液量が増加し,妊娠中期の初めには非妊娠時の50%まで増加するといわれています。
要するに、糸球体でろ過しなければならない血液量が増えることにより糸球体に負担がかかり、また、尿細管の再吸収の機能が低下することにより、妊娠していない状態のときと比べて尿に糖は出やすくなりますので、必ずしも異常ではありません。

しかしながら、妊娠糖尿病の可能性もありますので、注意は必要です。

尿糖陽性を示す主な疾患

・糖尿病  ・甲状腺機能亢進症  ・胃切除後症候群  ・脳疾患(脳腫瘍など)  ・膵炎  ・クッシング症候群  など