混合性結合組織病(MCTD)

混合性結合組織病とは

免疫異常により、全身性エリテマトーデス・多発性筋炎/皮膚筋炎・全身性強皮症を思わせる臨床所見が同時に、あるいは経過と共にあらわれる病気です。

この病気は、30〜40歳代の女性に多いです。

原因は未だはっきりとわかっていませんが、遺伝的な要因に、環境要因が影響していると考えられています。

混合性結合組織病の症状

@レイノー現象
症状としては、指先やつま先が白くなり、その後、紫色に変色し、赤くなって元に戻ります。
その際、指先やつま先が冷たい感じがしたり、しびれ感などを伴います。

レイノー現象は、冷たいものに触れたり、精神的ストレスにより血管のけいれんが起き、その結果、手指や足指の血行障害が起きてしまいます。

A手の腫脹
指がソーセージの様に腫れたり、手背が腫れが高頻度でみられます。

B混合所見
全身性エリテマトーデス・多発性筋炎・皮膚筋炎・強皮症を思わせる症状が出現します。

全身性エリテマトーデス様所見
白血球の減少・多発性関節痛・顔面紅斑・リンパ節の腫脹・発熱など。
腎障害が起こることもありますが、腎不全などの重篤な状態になることは少ないです。
多発性筋炎/皮膚筋炎様所見
筋力の低下・筋肉痛など。
筋力低下の症状として、階段の上り下りがつらい・疲れやすい・重い荷物が持ち上げられなくなったなどがあげられます。
強皮症様所見
皮膚硬化(手指)・食道機能の低下など。
食道機能の低下の症状として、食物が飲み込みにくくなったなどがあげられます。

C肺高血圧症
混合性結合組織病患者の約1割が肺高血圧症を合併します。
症状は、息切れや動悸、胸痛などです。

D三叉神経障害
混合性結合組織病患者の約1割が三叉神経障害がみられます。
三叉神経は顔の神経を支配していますので、症状としては、顔の一部がヒリヒリと痺れた感じがします。
麻痺がでることはありません。

混合性結合組織病の治療法

ステロイドによる薬物治療が主体となります。
ステロイドの効果が十分でない場合、免疫抑制薬を併用することがあります。

混合性結合組織病における検査データ

尿検査
尿蛋白陽性、尿潜血陽性
腎障害が起こると認められます。

尿中ウロビリノーゲン増加
溶血性貧血が起こると認められます。

血液検査
血球検査
白血球数、赤血球数、血小板の減少

血漿蛋白増加
血漿蛋白のγーグロブリンが増加します。

CRP上昇、赤沈亢進
各組織での炎症が起こるため上昇します。

筋原酵素(クレアチンキナーゼ・アルドラーゼ・LDHなど)上昇
筋肉の障害や炎症により上昇します。

抗体検査(陽性を示すもの)
・リウマチ因子 ・抗核抗体 ・抗RNP抗体

その他の検査
心電図検査
肺高血圧症がある場合、心電図で右心負荷の所見が現れます。

胸部レントゲン
胸水の有無や肺疾患の有無を調べます。

呼吸機能検査
呼吸機能の低下の有無や状態を調べます。

混合性結合組織病の診断基準

混合性結合組織病診断基準(1996年:厚生省特定疾患混合性結合組織病調査研究班)

1 概念
全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎などにみられる症状や所見が混在し、血清中に抗U1RNP抗体がみられる疾患である。

2 共通所見

  • @レイノー現象
  • A指ないし手背の腫脹

3 免疫学的所見
抗U1RNP抗体陽性

4 混合所見
(1)全身性エリテマトーデス様所見

  • @多発関節炎
  • Aリンパ節腫脹
  • B顔面紅斑
  • C心膜炎又は胸膜炎
  • D白血球減少(4000/μl以下)又は血小板減少(10万/μl以下)

2)強皮症様所見

  • @手指に限局した皮膚硬化
  • A肺線維症、拘束性換気障害(%VC=80%以下)又は肺拡散能低下(%DLco=70%以下)
  • B食道蠕動低下又は拡張

(3)多発性筋炎様所見

  • @筋力低下
  • A筋原性酵素(CK等)上昇
  • B筋電図における筋原性異常所見

5 診断
(1) 2の1所見以上が陽性
(2) 3の所見が陽性
(3) 4の(1)、(2)、(3)項のうち、2項以上につき、それぞれ1所見以上が陽性

以上の3項を満たす場合を混合性結合組織病と診断する

生活上の注意点

混合性結合組織病は、症状が軽くなったり、悪くなったりを繰り返して慢性的な経過をたどることが多い病気ですので、日常生活に気をくばることが大切です。
一般的に、疲れやストレスと貯めず、十分な休養をとり、バランスの取れた食事をし、規則正しい生活を心がけましょう。

混合性結合組織病は、手足が冷たくなりやすいので、手袋や厚手の靴下で保温し、お風呂に入ったときはしっかりと温め、マッサージをしましょう。

喫煙は、血行不良を引き起こし、レイノー現象を悪化させたり、肺の症状を悪化させる原因となりますので、禁煙しましょう。

食道の機能が低下している際は、なるべく消化のよいものを食べるようにしましょう。

膠原病など慢性的な経過をたどる病気では、悪い方へと考えがちになってしまいがちです。
そうならないためにも、趣味を持ったり、自分一人がこの病気に罹っている訳ではない事を自覚して、悩みを相談できるヒトを見つけることが必要です。