亜鉛(Zn)

亜鉛(Zn)について

亜鉛は体内で約2g存在し、骨や肝臓・筋肉などに多く存在しています。

亜鉛の吸収
食事で摂取された亜鉛は十二指腸や小腸から吸収されます。

亜鉛(Zn)の働き

1)酵素の手助け(補酵素)
亜鉛は、100種類以上の酵素の手助け(補酵素)をしており、体内での代謝に大きく関わっています。

2)味覚の保持
私たちが甘いや辛い、にがいといった味を感じることができるのは、舌にある味蕾(みらい)と呼ばれるセンサーがあるからです。
それを形成している味細胞の寿命は約10日と短く、古い細胞から新しい細胞へと頻繁に入れ替わっており、亜鉛はその味細胞を作るのに関与しています。
亜鉛が不足すると新しい味細胞が作られにくくなってしまうため、味覚障害が起こります。

3)免疫の活性化
私たちのカラダには、病原体から身を守るための免疫機能が備わっています。
免疫機能として働いているものにT細胞とNK細胞と呼ばれる細胞があります。
これらの細胞がうまく作用するためには亜鉛が必要で、不足すると免疫機能がうまく働かず、風邪などの感染症に罹りやすくなってしまいます。

4)成長や発育への関与
亜鉛は、細胞分裂時の遺伝子情報の複製や蛋白の合成にかかわっており、不足すると発育不全の原因となります。

5)ホルモンの分泌や活性化を行う
亜鉛はホルモンの分泌の活性化や合成などに関与しており、特に甲状腺ホルモンやインスリン、性ホルモンには重要なミネラルです。
@インスリン
インスリンは血糖低下作用があり、膵臓にあるランゲルハンス島のβ細胞内で作られますが、合成や分泌には亜鉛が必要となってきます。
亜鉛が不足すると、うまくインスリンの合成・分泌ができなくなり、その結果血糖値が上昇してしまい糖尿病の原因となることがあります。

A性ホルモン

男性ホルモン
亜鉛は別名「セックスミネラル」とも呼ばれ、男性ホルモンであるテストステロンの代謝にも亜鉛は関与しており、不足すると性欲減退や勃起不全、精子の減少などの不妊の原因となります。
女性ホルモン
女性ホルモンの合成や働きにも亜鉛は関与しており、亜鉛が不足すると生理不順や不妊の原因となります。

6)活性酸素の除去
活性酸素は、体内で細菌やウイルスをやっつけるなど、カラダにはなくてはならないものです。
しかし、マイナスの面もあり、カラダを酸化してサビさせてしまうのです。
このサビが老化やガン、生活習慣病の原因の1つとなっています。

この酸化を防ぐ抗酸化物質にSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)と呼ばれる酵素があります。
この酵素の原料に亜鉛が含まれているため、亜鉛は活性酸素の除去には必要不可欠なミネラルなのです。

7)傷口の治りを早めてくれる
キズができると新しい細胞によって再生されます。
キズを治すための細胞は、直すために細胞分裂が盛んで、亜鉛は細胞分裂時に必要なミネラルのため、不足すると傷口の治りが遅くなることがあります。

8)その他
亜鉛の働きは上記以外にも、発毛や有害金属の排泄などにも関与しています。

亜鉛が不足するとこんな症状が!

  1. 味覚障害
  2. 疲労感、脱力感
  3. 生理不順
  4. 性欲減退や勃起不全
  5. 不妊
  6. 脱毛
  7. 風邪などの感染症にかかりやすい
  8. 肌荒れ、傷口が治りにくい など

過剰症について
一般的に毒性は低く、通常の食事で過剰症を起こすことはありませんが、サプリメントなどの過剰摂取により、貧血や銅欠乏などが起こります。

亜鉛(Zn)の食事摂取基準

亜鉛の年代別摂取基準(男性)              (単位 mg/日)

      年齢       推奨量       目安量      耐用上限量
     0〜5 (月)        ―        2        ―
     6〜11(月)        ―        3        ―
      1〜2(歳)        5        ―        ―
      3〜5(歳)        6        ―        ―
      6〜7(歳)        7        ―        ―
      8〜9(歳)        8        ―        ―
    10〜11(歳)        10        ―        ―
    12〜14(歳)        11        ―        ―
    15〜17(歳)        13        ―        ―
    18〜29(歳)        12        ―        40
    30〜49(歳)        12        ―        45
    50〜69(歳)        12        ―        45
    70以上(歳)        11        ―        40

亜鉛の年代別摂取基準(女性)              (単位 mg/日)

     年齢     推奨量      目安量     耐用上限量
    0〜5(月)        ―        2        ―
    6〜11(月)        ―        3        ―
     1〜2(歳)        5        ―        ―
     3〜5(歳)        6        ―        ―
     6〜7(歳)        7        ―        ―
     8〜9(歳)        8        ―        ―
   10〜11(歳)       10        ―        ―
   12〜14(歳)        9        ―        ―
   15〜17(歳)        9        ―        ―
   18〜29(歳)        9        ―        35
   30〜49(歳)        9        ―        35
   50〜69(歳)        9        ―        35
   70以上(歳)        9        ―        30
  妊婦(付加量)      + 2        ―        ―
 授乳婦(付加量)      + 3        ―        ―

                     参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2010年版)

推奨量
個人の場合は不足の確率はほとんどなく、集団の場合は不足が生じていると推定される対象者がほとんど存在しない摂取量
目安量
目安量以上を摂取していれば不足しているリスクが非常に低い量(推定平均必要量が算定できない場合に用いられる)
耐用上限量
この値を超えて摂取した場合、過剰摂取による健康障害が発生するリスクが0(ゼロ)より大きいことを示す値

亜鉛(Zn)を多く含む主な食品(可食部100gあたり)

                                              (単位:mg)

種実類 肉類 魚介類
・アーモンド ・うし (和牛) ・いかなご
 乾         4.0  かた肉 脂身つき、生    4.9  煮干し         5.9
 フライ、味付け  4.4  赤肉、生            5.7 ・かたくちいわし
・カシューナッツ  かたロース 脂身つき、生 4.6  煮干し         7.2
 フライ、味付け  5.4  赤肉、生           5.6  田作り         7.9
・かぼちゃ  リブロース 赤肉、生    4.9 ・わかさぎ
 いり、味付け   7.7  サーロイン 赤肉、生    4.2  佃煮          4.4
・けし  もも 脂身つき、生      4.0 ・牡蠣
 乾         5.4  赤肉、生           4.4  養殖、生       13.2
・ごま  ヒレ 赤肉、生        4.2  養殖、水煮     14.5
 乾         5.5 ・ラム ・はまぐり
 いり        5.9  かた 脂身つき、生     5.0  佃煮          4.2
 むき        5.5 ・やぎ ・さくらえび
・ひまわり  赤肉、生           4.7  素干し         4.9
 フライ、味付け  5.0  煮干し         4.1
・まつ ・ずわいがに
 生         6.9  水煮缶詰       4.7
 いり        6.0 ・たらばがに
 ゆで          4.2
 水煮缶詰       6.3
・さば節          8.4
乳類 飲料類 穀類
・ナチュラルチーズ ・抹茶          6.3 ・アマランサス
 エダム      4.6 ・ココア  玄穀          5.8
 エメンタール   4.3  ピュアココア     7.0 ・小麦はいが      15.9
 チェダー     4.0
 パルメザン   7.3

参考:五訂増補 日本食品標準成分表(科学技術・学術審議会・資源調査分科会)