血液型のお話(2)

ABO式血液型の亜型について

このページでは、誤って判定されてしまうことがある、亜型について説明しています。
ちょっと難しい話ですので、興味があればご覧下さい。

皆様は、血液型の判定は、2種類の検査を用いて判定していることはご存知ですか。
これが、おもて検査とうら検査というものです。
おもて検査とは、患者の血球(赤血球)と試薬の抗A血清と抗B血清を反応させて凝集の有無により判定されます。
うら検査とは、患者の血清と試薬であるA型血球とB型血球を反応させて凝集の有無により判定されます。

2種類の検査法を用いる理由の一つに、1種類では判定を誤ってしまうことがあるからです。
誤って判定されてしまう原因の1つに亜型の存在があります。 亜型とは、簡単に申しますと、それぞれの血液型を細分化したものです。

A型の亜型について

A型の亜型は、抗A抗体との凝集の強弱により数パターン存在します。

 表現型          抗血清との反応※1   血球との反応※2
   抗A     抗A1     抗B     抗H   A1型     B型
  A1   ◎      ◎      −     −/△    −      ◎
  Aint   ◎      ○      −      ◎    −      ◎
  A2   ◎      −      −      ○    ?      ◎
  A3   ●      −      −      ◎      ?      ◎
  Am   −      −      −      ◎    −      ◎
  Ax   −      −      −      ◎    ○      ◎

−:凝集しない △:弱凝集 ○:凝集  ◎:強凝集 ●:部分凝集
?:凝集したりしなかったりする

※1:抗血清との反応とは
未知の血球と既知の血清を用いての反応。
A型とは分かっていても、どの亜型かは分からない血球(赤血球)と、すでに分かっている抗Aや抗Bなどを用いての反応。

※2血球との反応とは
未知の血清と既知の血球を用いての反応
A1型とB型と分かっている血球(赤血球)とA型とは分かっていても、どの亜型かは分からない血清(抗体)との反応。

@ A1型
一般的にA型(AO、AA)とAB型に含まれているA型のほとんどが、このA1型です。
A1型の赤血球表面には、A抗原とA1抗原が存在し、抗Aと抗A1血清と強い凝集を起こします。
A1型の場合は、H物質上にA抗原、A1抗原がそれぞれ結合しているため、H物質が単体で存在していないか、微量しか存在しないため抗H血清とは凝集しないか、しても弱い凝集となります。
A1型は、血球表面にA1抗原が存在しますので、抗A1抗体は存在せず、抗B抗体のみが存在します。
A Aint
A1型とほとんど変わりはなく、抗A、抗A1血清と凝集しますが、A1型よりもA1抗原が少ないので、A1型と比べると、抗A1血清との凝集がやや弱く、又、単体のH物質が赤血球表面に存在し、抗H血清と凝集する点がA1型と違うところです。
B A2型
A2型はA型抗原は存在しますが、A1型抗原が存在しません。
ですので、抗A血清とは凝集を起こしますが、抗A1血清とは反応せず、H物質も赤血球表面に存在することから抗H血清と凝集を起こします。
C A3型
A3型はA型抗原は存在しますが、抗A血清と部分凝集しかせず、ほとんどの赤血球は凝集しません。また、A1型抗原も存在しません。
このA3型は、血清中に抗A1抗体が認められることがあり、うら検査法でO型と誤って判定されてしまうことがあります。
D Ax型
Ax型は、抗A血清と凝集しにくく、又、A型にもかかわらず、血清中に抗A1抗体を認めます。
このAx型は、おもて検査法ではO型と誤って判定されることがあるので注意が必要です。
E Am型
Am型は、抗A血清と凝集しにくく、Ax型と同じように、おもて検査法でO型と誤って判定されることがあるので注意が必要です。
Ax型と違うところは、血清中に抗A1抗体がないところです。

B型の亜型について

表現型 抗血清との反応 血球との反応
    抗A     抗B    抗H   A1型      B型
  B   −      ◎    −/△    ◎       −
  B3   −      ●     ◎    ◎       −
  Bm   −      −     ◎    ◎       −
  Bx   −     −/△    ◎     ◎       −

−:凝集しない △:弱凝集 ○:凝集  ◎:強凝集 ●:部分凝集

@ B型
B型はA1型と同じように、一般的にB型とAB型に含まれているB型のほとんどがこのB型に属します。
赤血球表面にB抗原が多量に存在し、抗B血清と強い凝集を起こします。
A B3型
B3型はA3型と同じように、B型抗原は存在しますが、抗B血清と部分凝集しか起こしません。
B Bm型
Bm型はAm型と同じように、抗B血清と凝集しにくく、おもて検査法でO型と誤って判定されてしまうことがあるので注意が必要です。
C Bx型
Bx型はAx型とほぼ同じように、抗B血清と凝集しにくく、おもて検査法でO型と誤って判定されてしまうことがあるので注意が必要です。