尿のお話

尿量について

大人の場合、1日に摂取した水分の40〜60%が尿として排泄されます。
平均的な大人の尿量は、1日男性:1500ml、女性:1200ml程です。
もちろん、季節や水分摂取量、運動などさまざまな影響を受けますので、変動はかなりあります。

1)多尿
多尿とは、1日の尿量が2000ml以上がつづく場合をいいます。
これは、糖尿病や尿崩症などのときに起こります。

※夜間多尿
循環器障害があると、日中は動いているために、心臓の動きが弱くなるので腎への血流量が減少して、尿量が減少しますが、夜は寝ていたり、また休んでいるため心臓の負担が軽減することにより、腎への血流量が増え、尿量が増加し、多尿となります。

2)乏尿
乏尿とは、1日の尿量が500ml以下がつづく場合をいいます。

乏尿になる原因

@腎機能の低下:腎炎など
腎機能が低下することにより、尿の生成が減少するために尿量が減少します。
A血液中の水分量の減少:下痢、浮腫(むくみ)、発汗、腹(胸)水など
血液中の水分量が減少すれば、尿の元になるものが少ないわけですから、尿量は減少します。
B腎臓への血流量の低下:心不全など
心不全などの心臓の機能が低下すると、腎臓への血流が低下しますので、腎臓での尿の生成は減少します。

3)無尿
無尿とは、1日の尿量が100ml以下がつづく場合をいいます。
これは、腎炎などの重症な場合に腎臓で尿が作られなくなるために起こります。

尿の色について

健常な方の尿の色は、淡い黄色や淡い黄褐色をしています。
これは「ウロクロム」という色素によるものです。

このウロクロムの原料は、ヘモグロビンが分解されてできるビリルビンと呼ばれるものです。
ウロクロムは、1日の生成量がほぼ一定ですので、尿量が多ければ尿の色は薄く、尿量が少なければ尿の色は濃くなります。

また、早朝の尿や運動後などの尿は、汗によって水分が体外に排泄されているため、尿は濃くなります。

病気を疑わせる尿の色
1)無色:糖尿病、尿崩症など
尿量が多いために、尿の色素成分であるウロクロムが希釈されてほとんど無色になります。

2)褐色:ビリルビンの混入、濃縮尿など

@ビリルビンの混入
肝障害や胆道閉塞などの疾患により、ビリルビンが尿中に混入することにより尿が褐色になります。
この尿の特徴は、尿を排泄するときにできる泡まで黄色くなります。
A濃縮尿
熱がある場合や下痢や嘔吐など、水分摂取不良により尿が濃縮されることより褐色になります。

3)赤褐色:血尿など
腎疾患や尿管結石など、尿中に血液が混入することで赤褐色となります。

4)乳白色:膀胱炎など
膀胱炎などで、膿が尿に混入することによって乳白色となります。
また、病気によって尿に脂肪が混入する場合も乳白色になります。

尿の混濁について

通常、尿は透明ですが、膀胱炎などで白血球が多数混入したり、また、健常な方でも、野菜などのアルカリ性食品を多くとると、リン酸塩や炭酸塩が、肉食などの酸性食品を多くとると、尿酸塩などの結晶が尿中に出現して濁る原因となります。

尿の臭いについて

尿の臭いは、尿特有の芳香臭があり、健常な方は大体同じような匂いがします。

1)膀胱炎
膀胱炎の場合、尿中の尿素が膀胱内で細菌によって分解されるため、新鮮な尿でもアンモニア臭がします。

2)糖尿病
糖尿病(重症)の場合、ケトン体が尿中に大量に含まれていると、果物のような甘酸っぱい臭いがします。