高血圧

高血圧と食事

高血圧の食事療法の基本は、なんといっても減塩が重要。

1)塩分の摂取を控えましょう
厚生労働省は、日本人の1日の塩分摂取量を10g以下にするように薦めています。
しかしこれは健常者の場合。
高血圧の方、または血圧が高めのかたは、6g以下にするようにしましょう。

塩分を控えた食事は味気ないとおっしゃる方が多いですが、まずは薄味になれること。
そしてなにより大事なのは、無理をせず、おいしく食事をする工夫です。

POINT

@香辛料や香味野菜などを使って味付けしよう
塩分を使えない代わりに香辛料や香味野菜を使って、酸味や辛味などをうまく利用して、味付けにアクセントをつけると塩分がすくなくてもおいしくいただけます。
A食材自体の味をいかそう
塩分などの味付けが濃いと、食材自体の味がぼやけてしまうことがあります。
薄味にすることで、本来の食材自体にある甘みや苦味、酸味を感じることができ、新たな発見が生まれるかもしれません。
食材自体の味を生かすには、やはり鮮度と旬も考慮するとよりいっそうおいしくいただけると思います。
B焼いたり揚げたりして食材に香ばしさをつけよう
香ばしさは、おいしさを感じる1つの要素となります。
食材を焼いたり、揚げたりして香ばしさをつけてみましょう。

2)カリウム・カルシウム・マグネシウムをしっかりと摂りましょう。
カリウムは体内に過剰となったナトリウムを体外に排泄してくれる作用があるため、血圧を下げる効果があります。
また、マグネシウムも、血圧を下げる効果がありますので充分摂取してください。

カルシウムは不足すると、血液中の濃度を上げようとして、副甲状腺ホルモンなどが働き出します。
血液中のカルシウム濃度を上げるために、骨から溶け出したカルシウムは、細胞に入って血管を収縮させます。
その結果、血圧が上昇してしまうので、血圧を上げないために充分摂取することが必要です。

3)アルコールはほどほどに。
アルコールは血管を広げる効果がありますが、長期間に多量のアルコールを摂取すると高血圧の原因となることがわかっています。

また、おつまみは比較的塩分を多く含んでいるものが多いのでこれもよくありません。
そのため、飲むのを我慢するとそのストレスで血圧が上がることもありますので、飲む場合は、アルコール換算で20〜30ml程度(日本酒なら1合)をこころがけ、週に1〜2回は飲まない日を設けましょう。

4)食べ過ぎに注意しましょう。
食べすぎ(カロリー過多)は肥満の原因。
肥満は、高血圧の原因になります。
逆を言えば、肥満を改善することで血圧を下げることも可能です。
しっかりと、自分のエネルギー必要量を把握して、食べすぎに注意しましょう。

1日のエネルギー必要量の計算式
適正体重
身長(m)×身長(m)×22

1日の基礎代謝量
適正体重×基礎代謝基準値
※基礎代謝基準値

男性
18〜19歳:24.0
30〜49歳:22.3
50歳以上:21.5
女性
18〜19歳:23.6
30〜49歳:21.7
50歳以上:20.7

エネルギー必要量
1日の基礎代謝量×身体活動レベル
※身体活動レベル

低い(18〜69歳:1.50 70歳以上:1.30)
生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合
普通(18〜69歳:1.75 70歳以上:1.50)
座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合
高い(18〜69歳:2.00 70歳以上:1.70)
移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合

5)食物繊維をしっかり摂ろう。
野菜や海草などに多く含まれる食物繊維は、高血圧の原因になるナトリウムやコレステロールを体外に排泄してくれる効果があります。

6)蛋白質はしっかり摂ろう。
蛋白質は血管を保護してくれる働きがあります。
大豆などの良質な蛋白質をしっかり摂って、血管をいたわりましょう。

また、魚介類に含まれるアミノ酸(蛋白質を分解したもの)のタウリンやメチオニンにも降圧作用がありますので、植物性・動物性蛋白質をまんべんなく摂りましょう。
タウリンは、魚介類、特にいか・たこ・牡蠣・はまぐり・ほたて・あさり・魚の血合いなどに多く含まれています。
メチオニンは、レバー・牛乳・チーズ・まぐろ・小麦などに多く含まれています。

7)不飽和脂肪酸を多く含む食品を摂ろう。
青魚や野菜などに含まれる不飽和脂肪酸は、コレステロールを下げてくれたり、プロスタグランディンという物質をつくる原料となっています。
このプロスタグランディンは血管を広げる作用があるため、血圧を下げる効果があります。

但し、不飽和脂肪酸は脂肪分ですので、摂取しすぎるとカロリーオーバーになりますので、摂りすぎには注意してください。

不飽和脂肪酸を多く含む食品
不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸があります。
一価不飽和脂肪酸の代表はオレイン酸です。
オレイン酸を多く含む食品は、オリーブオイル、サフラワー油・なたね油・パーム油・落花生油・牛脂・ラードなどがあります。

多価不飽和脂肪酸は、さらにn−6系とn−3系に分けることができます。
n−6には、リノール酸・γーリノレン酸・アラキドン酸があります。
リノール酸を多く含む食品は、大豆油・とうもろこし油・ひまわり油・綿実油などがあります。
アラキドン酸を多く含む食品は、豚や牛・鳥のレバー・鶏卵・あわび・とりもも肉(皮付き)などがあります。
γーリノレン酸を多く含む食品は、月見草油などがあります。

このうちリノール酸は、コレステロールを下げる作用がありますが、摂取しすぎると善玉(HDL)コレステロールまで減少してしまいますので注意が必要です。
また、 アラキドン酸は摂取しすぎると、アレルギーの原因となることがあるので注意が必要です。
リノール酸・アラキドン酸はなんだかマイナスなイメージになりますが、どちらもカラダを維持していくためにはとても重要なものですので、しっかりと摂取しましょう。

n−3には、αーリノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)・ドコサヘキサエン酸(DHA)が含まれます。

αーリノレン酸を多く含む食品は、しそ油・えごま油・あまに油などがあります。
エイコサペンタエン酸(EPA)を多く含む食品は、あじ・さば・いわしなどの青魚に多く含まれています。
ドコサヘキサエン酸(DHA)を多く含む食品は、EPAと同様にあじ・さば・いわしなどの青魚に多く含まれています。