尿路結石(2)

尿路結石の治療

尿路結石

1)薬物治療
5mm以下の小さな結石は、水分を多く摂ることや運動などの日常生活で自然に排出することが期待できるため、痛みがある場合は、痛み止めを使用し、尿管拡張剤や利尿剤を使用して結石の排出を促します。

2)体外衝撃波砕石術(ESWL)
衝撃波エネルギーを結石に照射して、結石を細かく砕き、尿と一緒に排泄させる治療法です。
現在では、この体外衝撃波砕石術が尿路結石の治療の第一選択となっています。

人体に及ぼす影響は非常に少なく、治療時の痛みも軽く、又、治療後に一過性に血尿が見られたり、皮下出血が見られる程度です。
しかし、この治療法は、1回で結石が完全に砕けないこともあり、何回か治療を続けなければならないことがあります。

3)経皮的腎砕石術(PNL)
腎臓にできた大きな結石を除去するときに用いられる治療法です。
背中から腎臓の中まで穴をあけてそこに特殊な内視鏡を挿入し、レーザーなどで砕いて小さくしたり、鉗子(かんし)と呼ばれる器具でつまんで摘出します。

4)経尿道的尿管砕石術(TUL)
非常に細い尿管鏡と呼ばれる内視鏡を尿道から膀胱、尿管へと挿入し、尿管内にある結石をレーザーなどで細かく砕いたり、鉗子と呼ばれる器具でつまんで摘出します。

5)開腹手術
手術によって腎臓にある結石を腎臓を切って直接結石を取ったり、尿管にある結石を尿管を切って、結石を取り除いたり、あるいは腎臓と摘出したりする手術があります。
開腹手術は、現在では特殊な場合を除いて行われることはありません。

欧米化に伴って増加した尿路結石

結石の成分のところでもお話ししましたが、結石の約8割はシュウ酸カルシウム結石です。
これは、シュウ酸とカルシウムが尿中に増えすぎてしまい、互いに結合してできたものです。

通常、シュウ酸とカルシウムは腸内で結合するので、体内へ必要以上に吸収されて、尿中に排泄されるのもわずかです。
しかし、近年、食の欧米化に伴って肉食中心となったために、肉に含まれる、脂肪酸という物質が、腸内でカルシウムとくっついて便に排泄されます。

本来、シュウ酸がカルシウムとくっつくはずなのに脂肪酸がくっついてしまったために、腸内のシュウ酸は過剰に腸から体内に吸収されて、その結果尿中に多量に排泄されます。
そのため、尿中のカルシウムとシュウ酸が結合しやすくなり、結石が生まれるのです。

尿路結石における日常生活の注意点

@水分をしっかりと摂りましょう
尿路結石で最も気をつけることは、水分の摂取です。
水分の摂取が不十分あるいは、スポーツなどで汗をかくと尿は濃縮されます。
そして当然、結石成分も濃縮され、結晶となりやすくなり結石になりやすくなってしまいます。

イメージしやすくお話すると、コップに砂糖を溶かします。
充分な水には溶けて砂糖が混ざっているか分かりませんが、それを段々煮つめて濃縮していくと、砂糖が出現し、塊があらわれてきます。
これと同じなのです。

そのため、そうならないためにも水分をしっかりととって、尿をたくさん出すようにしましょう。
1日の尿量が1リットル以下になると、尿路結石ができやすいことから、水分摂取の目安は、1日2リットル以上です。(1日の尿量を2リットル以上とするため)

水分の種類は、コーヒー・紅茶・清涼飲料水・甘味飲料水の過剰な摂取は避け、水道水や麦茶・ほうじ茶などが適しています。

砂糖を多く使っている清涼飲料水や甘味飲料水の場合、砂糖の過剰摂取によって尿中のカルシウム排泄を増加させてしまい、結石ができやすくなってしまいます。

アルコールは利尿作用がありますが、過剰な摂取により、脱水や尿中の尿酸排泄を増加させてしまい、結石ができやすくなってしまいます。

コーヒーは、尿中の尿酸排泄を増加させてしまい、結石ができやすくなってしまいます。

紅茶は、結石の成分となるシュウ酸が含まれているため、尿中のシュウ酸排泄が増加してしまい、結石ができやすくなってしまいます。

A夕食から就寝までは4時間以上あけましょう
最近の食生活は夕食に高カロリー、高タンパク質の食事を摂る傾向があります。
その結果、尿中に結石をつくる成分が多く排泄されてしまいます。

又、食後に結石をつくる成分が尿中に排泄されるピークが、2〜4時間で、その後減少していきます。
そのため、夕食を食べてすぐ寝てしまいますと、結石をつくる成分を多く含んだ尿が就寝中にさらに濃縮されて、結石になる危険が高まります。

そうしないためにも、4時間程度は夕食から就寝までの間隔をあけましょう。

Bカルシウムをしっかりととりましょう
カルシウムは、腸管内で結石の原因となるシュウ酸と結びついて、糞便へ排泄してくれる効果があります。

カルシウムが不足すると、カルシウムと結びつくことができないシュウ酸が増え、シュウ酸が腸管から体内へ吸収され、尿中に排泄されるため、結石になりやすくなります。

Cシュウ酸を含む食品の摂りすぎに注意しましょう
シュウ酸は結石の原因物質ですので、なるべく摂取は控えましょう。
シュウ酸は、チョコレート・紅茶・たけのこ・ピーナッツなどに多く含まれています。

※以前までは、ほうれん草はシュウ酸が多く含まれていて、摂取を控えるように指導されていました。
たしかに、なまのほうれん草にはシュウ酸が多く存在しますが、茹でるとほとんどのシュウ酸がほうれん草から取り除かれるので、なまで食べなければ特に問題となりません。

D動物性タンパク質・脂肪の摂りすぎに注意しましょう
動物性タンパク質は、尿中にシュウ酸・カルシウム・尿酸の排泄を増加させてしまいます。
また、尿中にクエン酸の排泄を減少させてしまいます。

脂肪は、体内で脂肪酸となり、腸管内でカルシウムと結びついてしまい、シュウ酸がカルシウムと結びつきにくくなり、シュウ酸が体内に吸収される量が増えてしまいます。

E糖分・塩分の摂りすぎに注意しましょう
塩分や糖分の摂りすぎは、尿中のカルシウムの排泄を増加させる作用があり、結石を作りやすくします。
また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の原因にもなりますので、摂りすぎに注意しましょう。

F野菜・果物・海草を食べましょう
野菜や果物、海草に含まれている、マグネシウム・食物繊維・クエン酸はいずれも、結石が作られるのを抑える働きがあります。

マグネシウムは腸管内で、シュウ酸と結合し、体内に吸収されるのを防いでくれます。
食物繊維は、腸管内でカルシウムとくっついてカルシウムが吸収されるのを防ぐ効果があります。
クエン酸は、尿をアルカリ化させて、尿中のカルシウムと結合して尿中のカルシウムイオン濃度を低下させる作用があります。

肉食中心の方や尿路結石になったことがある方は特に、注意して野菜や果物・海草を摂取するように心がけましょう。

G適度な運動を習慣しましょう
適度な運動は尿管の蠕動運動(ぜんどううんどう)を活発にして、尿管にある結石を下降させる効果があります。
運動をして、汗をかいたら水分補給をお忘れなく。